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神奈川県(シュウマイ県)にしかない少し変わった条例

美の条例(真鶴町)

第10条 (美の原則)
町は、まちづくり計画に基づいて、自然環境、生活環境及び歴史的文化的環境を守り、かつ発展させるために、次の各号に掲げる美の原則に配慮するものとし、その基準については規則で定める。[中略]

 

(1)場所 建築は場所を尊重し、風景を支配しないようにしなければならない。
(2)格づけ 建築は私たちの場所の記憶を再現し、私たちの町を表現するものである。
(3)尺度 すべての物の基準は人間である。建築はまず人間の大きさと調和した比率をもち、次に周囲の建物を尊重しなければならない。

 

素朴な漁港の町に示された「デザインコード」とは?

真鶴町まちづくり条例が、「美の条例」との異名をとるに至ったキッカケは、1987年に国が定めたリゾート法(総合保養地域整備法)にあります。JR真鶴駅前に建てられた分譲マンションの全戸が即日完売となるほど、バブル景気に沸いたご時世でした。

 

箱根・熱海・伊豆といった有名リゾート地に囲まれ、海と山が一望できる真鶴の風景も受けて、多くの開発業者が大規模なリゾートマンションの建設計画案をドッと町役場に申請したそうなのです。当時の町長もリゾート開発を推進していました。

 

その一方、慢性的な水不足に悩まされてきた真鶴の状況を冷静に捉えた町議会は、リゾート開発の「凍結」を決議。さらに、景観のルール整備を怠ってきた今までの姿勢を改め、弁護士や都市プランナーを招いて意見を戦わせながら、「美の条例」を完成させたのです。

 

一般的な景観条例は、建物の高さや屋根の角度などを数値で示しますが、真鶴町は「豊かな植生」「地の生む材料」「小さな人だまり」「ほどよい駐車場」など、言葉を使って定性的 ・アナログ的に「美の基準デザインコード」を定めているのが大きな特徴。

 

ただ、昔からの住人にとっては当たり前の要素であることから、理解を得るのに長い年月を費やしているようです。

 

親孝行都市宣言(厚木市)

「人間の生命をはぐくみ育ててきたものは親であることを再認識し、子は親に感謝するという心豊かな人間性の涵養を市民運動として展開するため」……ということで行われた宣言。

 

かつては、親孝行に優れた市民をたたえる「孝養賞」と題された表彰式もあったようですが、2007年の厚木市議会の議事録によると、当時の市長は「現在では宣言に基づく事業ということでは実施しておりません」と発言。

 

続けて、「宣言にうたわれています心豊かな人間性をはぐくむことは、いつの世にあっても大切なことであります」と説明しています。

 

次世代に戦争の記憶をつなげる条例(大和市)

写真や映像、映画でも、戦争の悲惨さを次世代へ受け継ぐことはできるでしょう。
しかし、平和都市宣言を行っている大和市は、戦争体験のあるお年寄りが語る「肉声の証言」にこだわり、そうしたお年寄りを「語かたり部べ」として発掘することに努めているようです。

 

市民に向けての講話を依頼し、その話の記録・保存も実施。また、戦争体験を語る活動のなかで、語り部は他人の秘密を知る機会もあると考えられるため、守秘義務を課しています。

 

平塚市民のこころと命を守る条例(平塚市)

全国で初めて「自殺対策」を正面から打ち出した地方条例です。しかし、「自殺」という言葉を条例タイトルに使うべきではないとして、このネーミングとなりました。

 

「自殺は避けられる死だ」との意気込みで、国の自殺対策基本法よりも、さらにきめ細かい方針を打ち出し、また、「財政上の措置」として、多重債務者の問題解決も支援します。

 

鳥もすめる環境都市宣言(秦はだ野の市)

秦野市は、全体が丸ごと盆地になっている、とても自然豊かな街。それでも大気汚染や水質汚濁、森林伐採など、公害が深刻な社会問題になっていた1972年に、「わたくしたち秦野市民は、きれいな水とすがすがしい空気のなかで、緑と花に親しみ、鳥もさえずる豊かなくらしと快適な生活環境を守る」との宣言をしました。

 

ちなみに、秦野市の鳥は「ウグイス」と指定されています。